CS研は平成元年、LS研は平成6年と、それぞれ20年、15年の歴史をもつ研究会が統合し、新しい一歩を踏み出すことになりました。 振り返ってみますと、CS研は、20年の歴史の中で産学の連携の素晴らしい実を挙げ、日本の新しい処分場の形態を生み出し、現在は既に50に及ぶ施設が建設され、住民合意も得やすくなりました。 一方、遅く出発したLS研は、平成13年にはNPO法人として新しく発足させました。 LS研の起業理念は技術に上下はなく、必要の度合いに応じて平等であるという理念に基づいています。 平成12年(西暦2000年)には、日本の廃棄物の対応も循環型社会への移行を宣言し、今までの廃棄物の適正処理から一歩、歩みを進めました。それ以後約10年の歳月が流れ、廃棄物が資源として有効に利用されだし、最終処分場の建設数も年々減少し始めました。 我々組織の基本理念は最終処分場においての活動であり、この施設は都市施設として必要不可欠なものとして活動を続けています。また新しい技術として、資源の保管庫としての位置付け等も生まれてきました。 新しい方向を志向する二つの研究会を統合し、より強固で発想力の豊かなNPO・LSCS研(平成25年度よりNPO・LSA)として、今後、社会のニーズに応えて大いに発展をしていくことを社会の皆様にお約束いたします。 |
最終処分場のコンセプトが変化してきています。1990年代は、地域に受け入れられる最終処分場、つまり「地域融和型」の最終処分場は、「技術的側面と社会的側面」、および「コントロール&コミュニティ」を特徴として提案されました。特に、その利点を有するクローズドシステム処分場は、循環型社会を見越したもので、実用面で現在既に約50施設が建設・計画されています。 2000年代に入ると、循環型社会を目指して、最終処分場の役割と機能も変化し、技術的側面では安全性を担保するために、質の評価をするだけでなく、量の物質収支をとること、そして社会的側面では住民の安心と信頼をさらに高め、住民参加と地域還元の重要性が再評価されました。そのポイントは、今までの処分場は「場における容器」の議論でしかなく、循環型社会では、廃棄物等の流れと変換の定量的把握としての「物流・変換」の概念が加わってくることです。つまり、容器と物流・変換を同時に考えるという意味で、「場(容器)」ではまく、「システム(容器+物流・変換)」としてとらえる必要があり、最終処分場ではなく「最終処分システム」として考えねばなりません。さらに、物流プロセスの把握と管理のための「社会システム」の概念が加わり、役割分担とそれに関わる責任負担を明確にすべきです。 また、不適正処分場の問題では、最終処分システム全体を適正な方向に導くために、有害なもの等は処理・修復し、資源となるものは再資源化する方法と技術を開発し、その結果、最終処分場が再生し、埋立スペースが増加し長く使えるようになります。例えば、地球温暖化に影響を及ぼすメタンガス(二酸化炭素の21倍)の発生源として、最終処分場の有機物の管理は重要であり、有機物の掘り起こしと再生利用が、最終処分場の再生と併せて、廃棄物系バイオマスの利活用を推進することにつながります。 今述べた循環型社会の最終処分システムの構築は、21世紀環境立国戦略の理念にも合致し、これに関しては中長期的視点で、今後の日本の最終処分戦略として、NPO・LSCS研(平成25年度よりNPO・LSA)のなかで議論を重ねていくつもりです。 |
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